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デイ式2ストロークエンジン

現在よく知られている形のシンプルな2ストローク・ガソリンエンジンは、1889年にロンドン生まれのジョゼフ・デイ (Joseph Day) が発明した。

「省略できる部品は全て省略し、4ストロークエンジンでは完全に行われていた各行程を、効率を犠牲にして簡略にした」ことで実現された。バルブすら持たない簡略構造故に、簡易さが要求される小型2ストロークエンジンの完成形となった。

その作動メカニズムは以下のような要素で成立しており、極めてユニークなものである。

シリンダーポート方式 シリンダー側面に吸排気それぞれの専用孔を開け、その閉塞・開放は上下に往復するピストンの側面を利用する。これによって、複雑なバルブ開閉機構がいっさい省略できた。
クランクケース圧縮および燃料ガス掃気
クランクシャフト回りのクランクケース部を密閉し、ピストンが上昇することでクランクケース内に生じる負圧を利用して、燃料ガスを導き入れた。そしてこのガスを、エンジン回転に伴うクランクシャフトの遠心力によって予備圧縮した。これで独立した圧縮装置も、4ストロークエンジンのような圧縮行程も不要になったが、クランクケースの密閉性確保には限度があり、圧縮比は4ストロークエンジンほど高く取れない。
燃焼室内の点火でピストンが押し下げられると、予備圧縮された新しい燃料ガスがポート経由で燃焼室に押し込まれ、排気ガスを排気ポートから押し出す。これで4ストロークエンジンにおける掃気行程が不要になったが、まだ燃焼していない新しいガスの一部が排気ガスと共に排出されてしまう「吹き抜け」がどうしても生じ、その分は損失となる。
上記の手段で、4ストロークエンジンの行程を2行程省略して2ストロークエンジンを成立させることができたが、反面、圧縮効率の低下や「吹き抜け」による燃料の無駄が生じる弱点もあった。これらは簡略化の代償と言うべきものであった。
混合燃料潤滑 燃料にあらかじめ潤滑油を混合し、燃料を使用するだけで潤滑も為されるようにした。潤滑に関するメカニズムを省略できるという大きなメリットがあるが、潤滑油も燃料と共に燃えてしまうので、潤滑油の消費が不経済になる欠点がある。1960年代には混合燃料を使わず、専用の配管を用いて潤滑油を潤滑箇所に供給する手法も現れたが、潤滑油を燃やしてしまう根本に変わりはなかった。[1]
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デイ式の2ストローク・エンジンは、小型の簡易なガソリンエンジンにおける決定的な方式となった。第一次世界大戦以降に広く用いられるようになり、特にDKWやザックス (Fichtel & Sachs) などのドイツのメーカーにおいてその使用が顕著だった。小型のものを中心としたオートバイはもとより、1930年代以降は小型自動車にも盛んに使用されたが、1960年代以降自動車用から廃れ始め、1990年代になると2輪車でも排気ガス問題の面から4ストロークエンジンにその地位を譲るようになる。現在、2ストロークのガソリンエンジンが多用されているのは、極めて小型のエンジンでなければシステムの成立しにくい機器類(小型発電機、草刈機やチェーンソーなどの小型機器、可搬消防ポンプ、模型用エンジンなど)が主である。

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2009年06月07日 10:01に投稿されたエントリーのページです。

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